お父さんのスピーチ


今までで一番心に残った結婚式のスピーチは、私の女友達の結婚式のときです。
彼女のお父さんのスピーチでした。

彼女は、三人兄弟の末っ子で、上に兄二人、女の子一人で、とても大事に大事に育てられてきたそうです。
子どもの頃から体が弱く、よく病院に行っては両親を心配させていたそうです。

彼女はそうやってずっと心配ばかりかけていたことを申し訳なく思っていました。

彼女のお父さんのスピーチは、スピーチというよりは最後の挨拶のような形だったと思います。
一言の挨拶だけでよかったのですが、感極まってしまったらしく、これまでの思い出などをたくさん語ってくれました。

まだ幼稚園生くらいの頃、夜中に急に熱を出して、お父さんがおぶって病院まで連れて行ったこと
お父さんが仕事に行くとき、行ってほしくないとお父さんを掴んで離さずに泣きわめいたこと
体が弱いながらも参加した、学校のマラソン大会で、ビリだったけど完走したこと
学校も休みがちで、出席日数がギリギリだったけどなんとか卒業できたこと…

いろんな思い出を話されるうちに、聞いている私たちもお父さんの気持ちがわかったような気がして、思わず涙してしまいました。

お父さんは、未だに結婚を認められていない気持ちだと仰っていました。
父親として、大事な大事な娘が、本当に結婚してもやっていけるのかが心配だと。
初めて旦那さんになる人を家に連れてきた時は、殴りたい気持ちになったが、娘に嫌われるのが嫌で我慢したと。
とにかく、ちゃんと食べさせてもらえるのか、そればかりが気になっていると。

でも、体が弱かった娘も立派な大人になって、こうして嫁いでいく姿を見られるのは何よりの幸せだと、お父さんはボロボロに泣きながら仰っていました。

父親の娘に寄せる気持ちがひしひしと伝わってきて、会場にいたほとんどの人が泣いていたと思います。
私も一人娘で父がいますが、私が結婚する時も父は同じような気持ちなのかと思うと、涙が止らなくなりました。
今のうちにしっかりと親孝行しておこうと思いました。

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